生活と制作⑦ 2020年8月

生活

たばこをやめてしまった。現在8月になるが4月からもう吸っていない。きっかけは法改正である。タバコを吸う人の肩身が狭くなってしまったことだ。たばこが大好きだった。ジョグやストレッチ同様リラックスの為の道具としていた。その際にはコーヒーと甘いものがあれば尚の事良し。その時間を楽しんだ。たばこを吸うことに気を使わなければならないのなら、リラックスどころではない。やめた。
綺麗な空気と共に吸うのが好きだった。運動してシャワーを浴びた後の一本が好きだった。開け放った窓、そこから入り込む風、脳を半分本の世界に漬けながらゆっくりと吸う一本が好きだった。私の人生においてかけがえのない時間だった。

思い出せばきりがないが、「最高の一本は?」と問われたらこれを挙げる。

その夏、私はホンダのスーパーカブに乗り北海道を旅していた。札幌での用事を済ませ洞爺湖へ向かっていた。中山峠の道の駅の少し手前、上り坂続きで走り疲れ、ちょうど左手に現れた空き地に入った。地面は砂利で、サイドスタンドで立ちごけしないか確認した記憶がある。強い日差しと、市街地とは違う低い気温。車は少なく葉擦れの音と時折鳥の声。そこでペットボトルに汲んだ水道水と共に吸った一本。喫煙人生において至高の一本であった。お金では買えない贅沢な時間だった。

今は猫を吸っている。

制作


特記事項なし。単調な作業の繰り返し。


マルセル・デュシャンについて


ここで、飼っているマルセル・デュシャンを紹介しておく。人間のマルセル・デュシャンについては装画と章扉を朝野ペコ氏が描かれた、平芳幸浩著「マルセル・デュシャンとは何か」が詳しい。
仕事中クレームが入った。「駐輪場で子猫が死んでいるからどうにかしてくれ」というものだった。猫の死体の処理についてはどこに問い合わせればよいのか、保健所か、などと考えながら見に行くと子猫がぐったりしていた。目やにだらけで目は開いていない。ノミが跳ねている。小さな声で鳴いた。まだ生きている。終業後動物病院へ。獣医は「目、開けてみますけど、眼球無いかもしれませんよ」と言って液体をかけて目やにを溶かしていった。両目ともちゃんとあった。「お薬出しますけど、2.3日で、、、」と言われた。
子猫時代に、病気により鼻水が泉のように湧いてきたことからマルセル・デュシャンと名付けた。現在、体重は7kgを超えた。
親ばかなので自慢を一つ。小さい頃から「人間の手を噛んでじゃれる遊び」をダメとは教えてこなかった。ただ血がでたときには「血がでた・痛い」と伝えてきた。結果、手に纏った布の厚さによって噛む威力を調整できるかしこい猫になった。素手なら素手、ヒートテックならヒートテック、アウターならアウター、それぞれ絶妙に加減してくれるようになった。私の皮膚が裂けないぎりぎりのところを攻めてくる。天才だ。
健康を祈る。



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